会員証アプリの例
普段から「こんなアプリがあったらいいのに」と思っていた、個人店向けのデジタル会員証アプリを、要件定義から設計まで作ってみました。
紙のスタンプカードやポイントカードをデジタル化して、複数店舗の会員証を1つのアプリでまとめて持てるようにするアプリです。「作ったものの紹介」だけでなく、制作動機から要件定義・設計まで、どう考えて進めたかを実例として公開します。業務ノウハウにまとめている考え方を、実際のアプリづくりに当てはめた例でもあります。
このセクションの構成
| ドキュメント | 内容 |
|---|---|
| このページ | 制作動機と、会員・店舗それぞれのメリット・デメリット、あったら良い機能 |
| 要件定義 | 要件の整理方法と全体像 |
| 設計 | システム構成と設計判断 |
| 機能と画面 | 各機能の紹介と実際の画面(会員アプリ・管理画面) |
| 紙芝居デモ | お店の準備から来店・クーポン・予約までの流れを、実際の画面で順に追う紙芝居形式のデモ |
| さわれるデモ | 会員アプリと管理画面をブラウザの中だけで実際に操作できる体験デモ(サーバー・ログイン不要) |
制作動機
出発点は、いち利用客としての自分の困りごとです。
紙の会員証・ポイントカードで困ること
- 財布が店ごとの会員証・スタンプカードでパンパンになる
- 整理して家に置いておくと、お店に行ったときにかぎって忘れている
- せっかくスタンプを貯めたカードを失くすと、地味にショック
- そんなことが続くと、「お作りしますか?」と聞かれても断るようになってしまう
店ごとの個別アプリで困ること
かといって、店ごとにアプリが作られると、それはそれで困ります。
- 行きつけの店の数だけアプリが増えて、スマホがアプリだらけになる
- 店ごとに会員登録を求められて、似たような入力を何度も繰り返す
- たまにしか行かない店のアプリは、そもそも入れる気になれない
そこで考えたのが、店ごとにアプリを作るのではなく、共通のアプリ1つで複数の店の会員証をまとめて持てる形(アプリシェア型)です。 スマホの中で、財布のように会員証をまとめて持ち歩けるイメージです。 例えばお店に会員証追加のQRコードが置いてあって、それを読み込むだけでその場で会員証がもらえる、というイメージです。 この方式だと、お店が「会員証お作りしますか?」といったやりとりをする必要もなく、会員証を作るハードルも下がります。
アプリを作るとしたら
会員のメリット
ほぼ制作動機の裏返しです。
- 会員証はスマホの中。忘れないし、失くさない
- 複数の店の会員証・ポイント・クーポンを1つのアプリで持ち歩ける
- 初めての店でも、店頭のQRコードを読むだけでその場で会員証がもらえる
店舗のメリット
- 紙カードの印刷費や、忘れた・失くしたお客様への再発行・照合の手間がなくなる
- 来店・利用の記録が自動で残る
- クーポンやお知らせをすぐに配信できる。紙と違って印刷や郵送の費用もかからない
- 独自アプリを開発・維持する費用がかからない。最小構成なら、店舗情報の登録とQRコードの掲示だけで始められる
まず、会員証を確実に持ち続けてもらえます。ポイントカードやクーポンを忘れることもないので、再来店のきっかけも増えます。 さらに、複数の店の会員証が1つのアプリに入っていれば、他店の情報も目に入ります。これらが相まって、来店頻度や利用金額の増加につながることを期待しています。
店舗のデメリット
もちろん、いいことばかりではありません。
- 共通アプリなので、独自アプリのような自由度はない。店の個性を出せるのは会員証のデザインや配信内容の範囲
- スマホやアプリに不慣れなお客様には使ってもらえない。そのため紙カードの全廃ではなく、併用が前提になる
- 参加店舗が少ないうちは、会員にとってアプリを持つ価値も小さい。逆に店舗と会員が増えるほどお互いの価値が上がる、という相乗効果に期待している
なお、ここに挙げた効果はどれも「こうなるといいな」という期待であって、導入実績に基づくものではありません。
あったら良い機能
会員証とそれに類似するもの(例えば診察券)から、どんな機能があれば良いかを考えました。
- スタンプカード・ポイントカード
- 理髪店などで会員証の裏がスタンプカードになっているものがあります。これもそのままアプリにできそうです。アプリならスタンプカードだけでなくポイントカードも手軽に始められます
- スタンプカードの応用として、夏休みのラジオ体操(まだあるの?)のスタンプカードとしての利用も可能です
- ポイントやスタンプの数により会員ランクを設定することもできます
- チェックイン(来店記録)
- 来店の記録もアプリに残せます。来店回数や最終来店日がわかるので、常連向けの特典や、しばらく来ていない人への声かけに使えます
- クーポン配布
- アプリ化したことで、クーポンもアプリで配信できます。紙のクーポンだと店頭で手渡しもしくは郵送する必要がありますが、アプリなら会員がどこにいてもいつでも配信できます
- クーポンを福引の参加券(これもクーポン機能)にする使い方もできます。参加券を10枚集めると福引を1回引けて、当選すると景品引換のクーポンがその場で発行されます
- お知らせの配信
- 店舗への貼り出しや郵送をせず、会員へ連絡ができます。例えば、営業時間の変更や臨時休業、イベント情報などを配信できます
- 予約
- 予約の受付もアプリでできます。電話や店頭で受けた予約も店舗側で同じ台帳に登録できます。美容院や学習塾、クリニックのように予約が中心の業種にも向いています
- 鍵解錠
- 会員証を鍵として使えるようにすれば、会員だけが入れる施設の入退室管理にも使えます。例えば、会員制のジムやコワーキングスペースなどです
想定する利用シーン
メインターゲットは個人経営のリアル店舗、次いで商店街・ショッピングモールです。商店街やモール単位で使えば、加盟店共通ポイントやイベント情報の一斉配信といった地域ぐるみの施策も、小さな運用負担で実施できます。
- カフェ・飲食店: スタンプ特典(10個で1杯無料)、雨の日クーポン、誕生日クーポン
- 美容院・サロン: 来店ポイント、次回来店を促すクーポン、新メニューのお知らせ
- 小売店・雑貨店: 購入金額に応じたポイント、セール情報の配信
- 商店街・モール: 加盟店共通ポイント、イベント情報の一斉配信、スタンプラリー、福引
- 学習塾・習い事教室: 出席スタンプ、休講・振替のお知らせ配信
- クリニック・治療院など: 次回予約の受付、健診等のお知らせ配信。診察券そのもの(本名の確認が必要)の代わりにはしない前提
つづきは 要件定義 へ。動きを先に見たい方は、紙芝居デモで流れを追えます。実際に操作してみたい方はさわれるデモへ。
お問い合わせ
こんなアプリを作ってみたい、自分のお店に合わせて相談したい、という方はお気軽にご連絡ください。
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